「自営業」と聞いて、あなたはどんなイメージをお持ちですか?
- 会社員より自由に仕事ができて楽しそう
- 儲かりそう
- 一人で全てやるのは大変そう
こんな感じかもしれません。
今は色々と不安定な世の中。
会社員でも安心はできないと、起業や独立ブームの風潮も見受けられます。
もちろん世間のイメージ通りにノビノビと仕事をこなし、順調に経営できる自営業者は大勢います。
でもその一方で、
思い切って独立したけど、思ったよりも大変だ!
そんな方が多いのも現実。
上手くいかなくて困ることが増えてきたら、
家族だけで悩みを抱え込んでしまう前に、早めに手を打つべきです。
今回は自営業をやめたいと思ったらやるべき事を、夫婦関係の視点からお伝えします。
自分たちの失敗で気付けたことが、今困っている誰かのお役に立てば幸いです。
夫の自営業(設計事務所)が経営に行き詰まり、独立から12年で撤退
当時48歳だった夫は、ご縁があった会社に再就職が決まる
今は仲間とイキイキ働く姿をみてホ~ッと一安心
自営業で行き詰っていると気付いたら、早めの行動が大切だったと痛感している50代主婦。
詳細はプロフィールをごらんください。
自営業をやめたい時にやるべき事
今回は私の経験をもとに、夫が自営業者という前提で話をすすめます。
独立後に経営面の悩みが増えてくると、多くの場合はモロに夫婦関係に影響します。
理由は多くの自営業者の場合、
収入=生活費
こんな感じで、収入と生活が直結しているのが理由です。
会社員には想像しにくいことですが、自営業者は収入が全くない月もあります。
そして、それが続くと生活が一気に行き詰ります。
この問題を先送りしてもいいことはありません。
問題を先送りにするとどうなるの?
夫婦の間にミゾが生まれるよ。
放っておくとそのミゾがどんどん深く、
大きくなっていきます!
しかもものすごいスピードで、その溝は広がっていきます。
ではそうなる前に夫婦でやるべき事はあるのでしょうか。
答えは、
あります!
ではどんなことができるのか、順番にみていきましょう。
【状況を知る】夫婦の会話は定期的に 男のプライドと女の現実
まずは自営業者であるパートナーと、定期的に話し合うことをおすすめします。
月に1回程度でも試してみるといいです。
かしこまる必要はありません。
ふとした会話から、経営状態とか相手の心の状態を知ることが狙いです。
自営業者の妻は、経営状況がいい時は一緒に喜んでいればいいのですが、
辛くなっているかもしれない…
とか、
あまりうまくいってないかも…
など、ちょっと気になることがある時はさりげな~く聞いてみましょう。
特に男性はプライドが強いです。
妻に弱みを見せたくなくて、平気なフリをするかもしれません。
でも妻にとって、日々の生活という現実は待ったなしです。
平気な顔をされたって、じわじわと生活が苦しくなると不安になるでしょう。
そんな妻自身の不安や心配事を相手にぶつけたくなることもあるはずです。
その気持ちはとてもよくわかります!
でも、ここはひとまずこらえ時。
冷静に状況を把握、分析する
このことに徹しましょう。
定期的に一緒に外に出て、家や職場以外の場所で話す時間を作るのがいいです。
二人きりにならない場所に出向くのがポイント。
人の目があるのでお互いに感情的にならずにすみます。
まずは冷静に状況を知ることが大切です。
自営業をやめたい理由を知る
会話の中から「自営業を辞めたくなっているようだ」と感じたら、次の段階へ進みましょう。
次の段階では、パートナーが辛くなっている理由を確かめます。
話をできるだけよく聞いて、改善できる方法があるかどうか一緒に考えてみましょう。
上手くいっている時は気楽に感じる自営業。
でも一度悩みを抱え始めると、当事者は無意識に孤独感が強くなっていきます。
誰かの手助けが必要なのに、うまく周りに伝えられなくなると要注意。
こういう心理状態になっていることに自分ではなかなか気が付きません。
一番身近な妻が観察力を発揮する時です!
でも、自営業をやめたくなる理由って
どんなことがあるんだろう??
パートナーと話をする前に予備知識がほしい…
自営業を辞めたいと思う理由は、このようなことが考えられます。
順番にみていきます。
売り上げが乱高下する
ある月には100万円稼いでも、次の月はゼロ…
それが自営業のコワさです。
そして、悪循環に入るとこうなります。
悪循環のループ…怖すぎます。
そして私の夫は、まさにこのケースでした。
単価を下げたことで更に仕事の依頼が入って、盲目的に目先の仕事をさばき続ける。
そのうちに夫婦の会話が減って、私には状況が見えなくなっていきました。
資金繰りが追い付かない
ある月の収入100万円は、前月に支払っていない経費や家賃に消えてしまう。
その翌月の収入ゼロを何とか乗り越えて、次に200万円の収入があっても、
やっぱり税金や経費で飛んでいきます。
特に税金が大変です。
問答無用で先に持っていかれます。
そのうちに経費と生活費の区別もつかなくなり、家賃などが滞りだし…
仕事・経営・先の見通しもごちゃごちゃになって混乱していきます。
収入=生活費である自営業者の弱点が浮き彫りになる瞬間です。
会計の管理、税金への対応の時間が作れない
確定申告に向けた帳簿付けは、税理士などにお願いするとお金がかかります。
かといって自分でやる時間も作れません。
でも妻に相談すると、変に心配されてツッコまれる。
そのやりとりを面倒に感じてつい放置。
あとでやるからいいや…
私の夫がこのパターンでした。
確定申告の直前に何も手を付けていないとわかって、
慌てて膨大な一年分のレシートを引っ張り出し、私が夜通しで書類を作ったこともあります。
この時に、もっとちゃんと話をすればよかった…
孤独感
自営業者はまじめな頑張り屋さんが多いです。
一日中一人きりで仕事をこなして過ごす日もあります。
そんな中で経営がうまくいかなくなるとつい弱気になって、
他の人はできるのに、自分にはできない…
なんて考え込んだり、自信を無くしてしまうことがあります。
このようなメンタルの崩れがくせ者です。
自分が抱えているものを実体より大きな失敗と感じて、
だんだん誰かに話すことがおっくうになっていき、現実逃避に走るケースもあります。
私の夫は精神的に疲れて果ててしまい、ネットゲームで課金して更に借金を作りました。
孤独で不安だったのだと今ならわかります。
普段はやらないことを唐突にやりはじめたら注意です!
自営業の夫婦仲を改善するために、二人でできること4つ
まずは二人で対策を考えましょう。
一人で悩まなくていいよ!
そう伝えるにはパートナーにも覚悟が必要ですよね。
辞めたい理由を聞いたら、これから先も自営業を続けられる可能性があるか。
一緒に一つずつ整理していくのです。
整理するのはこの4つです。
- 売り上げを一定にする方法があるか
- 資金繰りを相談できる機関はあるか
- 会計や税金のことを任せられる人を探す
- 孤独にならなくていいと伝える
→ 夫のプライドを傷つけず、円満に話すには…さしすせそを使おう
a. 売り上げを一定にする方法があるか
売り上げの乱高下は、一緒に生活をするパートナーにも、大きな負担になっているはずです。
改善するための方法があれば、まずは試してみましょう。
例えば、
・入金までに時間がかかる仕事は控えて、小さくて回転のいい仕事を中心に営業する
・取引先を変えてみる
など、対策できる方法はないでしょうか。
b. 資金繰りを相談できる機関はあるか【借金はできるだけ少なめに】
例えば地域の商工会議所や、信用金庫、銀行などに、資金繰りの融資を打診してみましょう。
当面のやりくりのための融資機関を、一緒に探してみるのです。
自営業者は家族で問題を抱えがちですが、専門家に相談することで、自分たちには思いつかなかった突破口が見つかる可能性があります。
ただし、融資はあくまでも借金です。
できるだけ少なめの金額に抑える手段を考えましょう。
c. 会計や税金のことを任せられる人を探す
自営業者のパートナーにも別の仕事がある場合、いきなり帳簿や確定申告書を作るのは、大きな負担になります。
私たちは地域の商工会議所に相談に行き、帳簿作成から確定申告の書類提出までを丁寧に教えてもらいました。
お住いの地域の商工会議所のドアを、一度叩いてみませんか?
自分でやるより、お金はほんの少しかかります。
でも、その時に得た知識や経験は大きかったです。
d. 孤独にならなくていいと伝える【お金のことは何とかなる】
自営業でつまづいて、辛くて混乱しているパートナーを支えたいと思う。
でも、具体的にどうやればいいのだろう。
私に何ができるのだろう。
そもそも私に、何かできることはあるのだろうか。
そんな風に悩むことがあるかもしれません。
本気で支えたいと思うなら、
まずはその気持ちを素直に伝えましょう。
私は夫に気持ちを伝えた時、最初は突っぱねられました。
離婚してくれ、借金は全部自分が何とかするから。
そう言われるほど、色んなものがこじれていました。
2018年頃が一番大変でした…
でも今は、二人で旅行にいけるほどに夫婦関係は改善。
自分たちでも驚いているほどです。
人生って、ほんとに先のことはわかりません。
せっかくなら後悔しないように生きたいですね(*‘∀‘)!
相手を大切に想う気持ちと少しの勇気、それに知恵があれば、お金のことは何とかなる
今はそう確信しています。
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自営業をやめるタイミングはいつ?
いろいろと二人で考えて動いた結果、やっぱり自営業をやめることになるかもしれません。
では、どのタイミングで決断するといいのでしょうか。
A. 資金が足りなくなった
信用金庫などから融資してもらえる最低限の資金では、
- 税金や経費が払えない
- もしくは、払える見込みがない
こんな場合は、融資をとりやめて廃業を選ぶほうがいいです。
融資は、言い換えると借金。
融資の返済には利息がかかります。
利息を払うということは、借りた分より多くのお金を返すということなのです。
私たちは廃業の決断を先延ばしにして、銀行からの融資を受けたのですが、
その後、結果的に廃業を決めることになりました。
決断のタイミングを間違って借りた借金は、2022年の今でも返済しています。
決断するタイミングがもう少し早ければよかった…
これは悔やんでも仕方ありません。
高い授業料を払って人生勉強をしたのだと割り切って次に進んでいます。
同じように大変な思いをする方が一人でも減ってくれればと思います!
B. 精神的に続けられない
これまでの経験から自信を無くし、うつの症状に陥る人もいます。
そんな状態で仕事を続けさせるのは残酷です。
できるだけ周囲の人が廃業を勧めましょう。
こんなにがんばってきたのに…
プライドやこれまでの頑張りから、すぐに廃業のふんぎりがつかないかもしれません。
そんな時は夫婦だけで抱えずに、第三者に話を聞いてもらうのがおすすめです。
信頼できる身内や専門家などに相談して、一歩前に進みましょう。
C. 好転するイメージができない
これから先、事業が好転するイメージができないようなら、続けるのは難しいです。
好転させるためには、具体的にこれまでとは違うやり方をする必要があります。
そのイメージや解決策が思いつかないようなら、次に進んだ方がいいです。
D. 取引先の会社などから声がかかった
自営業者は仕事ができる人が多いです。
経営が苦手なだけ…という場合も多々あります。
取引先の会社や打ち合わせ先の担当者から仕事の能力を認められて、
うちの社員になりませんか?!
こんな風に声をかけてもらうこともあります。
これまでは断ってきたそんな誘いを、一度検討してみるのもありです。
E. 会社員に戻りたくなった【収入アップは期待できる!?】
今は会社からのお誘いがない方でも大丈夫です。
会社員に戻りたい…そう思ったらとりあえず動いてみましょう。
心配ご無用。
どうか自信を持ってください!
自営業時代のワンオペスキル(営業力、仕事力、お金の管理、スケジュール管理)は、本人が思う以上に会社員としても必要な能力です。
一匹狼として戦ってきた経験値は会社にとっても価値があるものです。
ちなみに夫は会社員に戻ってから、平均年収が1.5倍に増えました!
【失敗は挑戦した証】自信を持って次に進もう
自営業に失敗したのに、大丈夫かな…
こんな風に自信を無くしている人もいるかもしれません。
その気持ちはよ~くわかりますがもったいない!
私たちは経験者だからわかります。
自分の不得意なことをわかっている人って
魅力的です!
人にはそれぞれ得意や不得意があって、全てが100点の人なんていません。
少なくとも、新しい世界に挑戦したからこそ失敗できたのです。
それは自分が考える以上にすごいこと。
自信を失ってしまうはもったいない。
その勇気と行動力は、きっと別の場所でも役に立ちます。
夫婦でそう信じて、小さな一歩でもいいので前に進みましょう。
その時の妻のスタンスは…
男のプライドを傷つけず、適度な距離感で伴走する
これが理想です。
今回は、夫婦で直面する自営業者の荒波の乗り越え方を伝えたくてこの記事を書きました。
エラそ~に言っていますが、私は今まで山ほど失敗をしています(;’∀’)
でも、失敗してわかることもあるのです!
まとめ
自由に仕事ができて楽しそう、儲かりそう…そんなイメージの自営業。
実際はかなり大変な人も多いです。
自営業で行き詰った時にぶつかる、夫のプライドと妻の現実もあります。
どんなことが起きても誰かや何かのせいにするのではなく、今自分ができることを淡々と続ければ、仕事のことくらいは夫婦で乗り越えられます!
そしてその悩みを超えた先には、新しい夫婦の信頼が生まれます。
この記事が今悩んでいる誰かのお役に立てば嬉しいです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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